ベースの自宅練習用のヘッドホンアンプ|VOX amPlug2 Bassレビュー
先月ベースギターを購入しました(完全初心者)。自宅練習用にヘッドホンアンプVOX amplugを一緒に購入したのでレビューというか紹介したいと思います。
そもそもアンプって何のためにある?
私は電気系のエンジニアなので理屈っぽいのが大好き。ということでエレキベースとアンプの関係から書いていきます(ちなみに楽器は完全初心者なので調べたてほやほやです)。
エレキギターやエレキベースはピックアップで弦の振動を電気信号に変換して出力、それをアンプで増幅してスピーカーから音を出す楽器です。
つまりアンプが無ければ音は出ないわけです。ではなぜアンプが必要なのでしょうか?そこでまずエレキギターが音を出す仕組みから簡単にみていってみます。
ピックアップとは磁石+コイルが組み合わされたもの(マグネティックピックアップの場合)。中学校の理科の授業で習った通り、磁石をコイルに近づけたり遠ざけるとコイルで電気が発生します。もう少し物理の言葉で書くと、磁石が運動することでコイル中の磁束が変化し、電磁誘導によりコイルに逆起電力が発生します。
簡単に言うと振動した磁石の運動エネルギーをコイルで電気エネルギーに変換しているわけです。
ちなみにピエゾピックアップと言って、ピエゾ素子を搭載されたピックアップもあります。このタイプのものは圧電効果(もしくはピエゾ効果)を使って圧力を加えた時に発生する電圧を使っています。こちらも圧力の源はギターの振動なので、運動エネルギーを電気エネルギーに変換している点ではマグネティックピックアップと同じです。
さて電気が発生する源は運動エネルギーだということは理解できました。その運動エネルギーはどこから来るかというと、弦を弾いたときに発生した振動(=音)。
ここで認識したいのが、ピックアップで変換しているエネルギーは非常に小さい、ということ。しょせんは弦を少し弾いて発生した振動ですから。しかもピックアップで拾う分なんて言えばスズメの涙ほどのエネルギーしかありません。
そんな小さな電気エネルギーでは大きなスピーカーを大きな音で鳴らすことなんてできません。そこで必要なのがアンプです。
アンプとはAmplifier(アンプリファイア=増幅器)のことで、その名の通り電気信号を増幅するものです。アンプに入力された電気信号の大きさに応じて、電池や電源といった別の電気エネルギー源から電気エネルギーを取り出してくるもの、という理解が正しいかと思います(入力・出力インピーダンスについてもこの視点を持つと理解しやすいです。ただ書くと長くなりすぎそうなのでいつか別記事にしたいと思います)。アンプを使うことで、スピーカーを鳴らせるような電気エネルギーを生み出すことができるわけです。
電気で音を鳴らす装置には大体アンプが搭載されていると思ってよいです。テレビにもアンプは内蔵されていますし、スマホにも本体スピーカー用のアンプとヘッドホン端子用のアンプが搭載されています。スマホみたいに比較的小さなエネルギーしか必要ないものだとIC(集積回路)でアンプ回路を作るのでめちゃくちゃ小さいですが。
スピーカーでもアクティブスピーカーと呼ばれるものは全てアンプが内蔵されています。パッシブスピーカーだとアンプは内蔵されていないので、音を鳴らすためにはアンプが必要になります。よくある下の写真のようなコンポだと真ん中の部分にアンプ機能が内蔵されています。
ギターやベースだとアンプ+スピーカが一体になったものをアンプと呼ぶことが多いようですね。アンプ部とスピーカが別々になっているものもあってその場合はヘッドとキャビネットという呼び方をするようです。ヘッドがアンプ機能を担っていることになります。
話が少しそれましたが、まとめるとエレキベースやギターで音を出そうと思うとアンプが必要、ということですね。
もちろんアンプ無しでも、ギターやベースそのものも振動するので少しは音が鳴ります(生音、というらしい)。ただアコースティックギターのように振動を大きな音で響かせるような空洞は無いのでめちゃくちゃ小さい音です。とはいえ静かな環境では生音も聴きとれるので自宅練習時はベースだけでもなんとかなるかと思っていましたが、どうやらそうでもないようです。
自宅練習用にはヘッドホンアンプがおすすめ
ベースを始めるにあたり、いろんなサイトや動画を見てみましたが、共通している意見が「なるべくアンプを通した音で練習しよう」ということです。
生音はエレキベースの音ではありません。アンプを通した音こそが楽器の音です。なのでアンプを通さないと自分の弾き方で出ている音を確かめられないから、という理由。これには全面的に納得したのでベース購入と一緒にアンプも購入することにしました。
ただ自宅では大きな音を鳴らすことはできないので、ヘッドホンで練習することになります。普通の一体型のアンプでヘッドホン端子がついているものも多いですが、利便性(と値段)を考えて専用のヘッドホンアンプを購入することにしました。
VOX amPlug2 Bass
購入したのがベース用のヘッドホンアンプでは定番のVOX amPlug2 Bassです。

ヘッドホン端子は横。

ちなみに実際にアンプを通した音を聴いてみた感想は、「いろんな音が聴こえて汚いな〜」というもの。ちゃんとミュートしたりしないと他の弦がブゥーンとかピィーンとか鳴ってうるさいものなんですね。生音だと全然気づけませんでした。これはやっぱアンプを通した状態でいい音が鳴らせるように練習しないとだめですね。そのことがよく分かりました。
さてVOX amPlug2 Bassのこれが良いという点をあげてみます。
- 小型で場所を選ばず練習可能
- Aux-in搭載でスマホの音楽と合わせて練習できる
- 音が意外と良い
- リズムパターン収録で練習の役に立つ
小型で場所を選ばず練習可能
届いた製品を見て軽くて小さいのにびっくり。単4電池2本で駆動するので電源ケーブルはありません。また本体をベースのジャックに直接差し込んで使うので、練習するときに必要なのはベース本体とこのアンプとヘッドホンだけです。
使い方もシンプル。本体横に電源ボタン。本体上部には3つのダイヤル(ボリューム、トーン、リズムパターンのボリューム/テンポ)とリズムボタン。操作するのはこれだけです。
本体横の電源ボタンをONにしたところ。

本体上部のダイヤル。

リズムパターンを使わないのであれば、操作は電源ボタンとボリュームとトーン調整のみ。別にこれで音作りするものでもないし、練習用としての使い方がほとんどだと思うので必要十分です。
ついでに電源ボタンはゲイン切り替えの機能も割り当てられていて、ゲインを3種類(ハイ/ミドル/ロー)と切り替えられるのでベースの出力レベルに応じて選択できます。
小型で操作もシンプル、ベースに直接差せるのでシールドも要らないということで「アンプを通して練習する」ことのハードルをめちゃくちゃ下げてくれるのがいいですね。

Aux-In搭載でスマホと合わせて練習できる
Aux-In端子が搭載されているので、外部音源を繋ぐことで、外部音源とベースの音を合わせて聴くことができます。私はスマホを繋いで曲や動画、アプリで入れたメトロノームを聴いて練習しています。
小型で機能最小限にしていますが、ベースは他の楽器と合わせて演奏しないと楽しくないので、練習のためにはAux-Inの機能は必須。この機能を入れてくれているのはありがたいですね。
音が意外と良い
小型で軽量ということで、なんとなく音はチープなのかなと想像していましたが、良い意味で裏切られました。パンチがあって元気な音を出してくれます。ホワイトノイズは大き目でSNは低い印象ですが、別にこれで録音や人に聴かせるわけではないので十分。元気な音なので練習には悪くないですね。
リズムパターン収録で練習の役に立つ
スマホや外部音源が無くても練習できるようにリズムパターンが9種類収録されています。テンポやボリュームも調整可能。シンプルなクリックのパターンもあるのでメトロノームの代わりにもなります。ただテンポの設定はダイヤルでアナログ的に調整するのでBPMで設定したりはできません。
どんなパターンが収録されているかや操作方法について動画に撮ってみたのでこちらを参考にしてみてください。
まとめ
ベースギターの自宅練習用に購入したヘッドホンアンプVOX amPlug2 Bassについてレビューしました。このアンプの良いポイントを振り返ると下記の通りになります。
- 小型で場所を選ばず練習可能
- Aux-in搭載でスマホの音楽と合わせて練習できる
- 音が意外と良い
- リズムパターン収録で練習の役に立つ
とにかくこのアンプとベースとヘッドホンがあれば練習できる、というのが特徴。アンプを通した練習をすることのめんどくささを極限まで低減してくれます。
このちっちゃなヘッドホンアンプで練習積んでいきます!