初めてのFTP測定に挑戦!
今シーズン最初で最後のフルマラソンレースである湘南国際マラソンが終了しました。
しばらくは具体的な大会出場は考えておらず、しばらくは淡々とトレーニングを積み上げようと考えています。
その中で、実力を把握するために下記の指標を定期的に測定していくつもりです。
- ランニング|5kmのタイム
- バイク|FTP
- スイム|800mのタイム
先日、生まれて初めてバイクのFTPを測定してみました。
FTPとは?
FTPとはFunctional Threshold Powerの略です。「1時間維持できる最大出力」がFTPに相当します。
ランニングだとダニエルズ本で閾値走ペースが「レースで1時間維持できるペース」となっているので、閾値ペースの自転車版だと捉えれば良さそうです。
自転車の場合は、勾配や風の影響でスピードでは出力を推定しにくいのでパワーを直接測定することが普通です。一方ランニングは、極端な勾配や風ではそこまでペースが変化しないことと、練習場所としてフラットな周回コース(例えば陸上トラック)が確保しやすいのでペースを指標にすることが一般的ですね。最近はランニングのパワー測定器も発売されているようです。
FTPは乳酸閾値(LT)で運動できる能力を示すので、自転車の速さを測る指標として広く使われています。
自分自身の自転車の実力を客観的に把握するべく、生まれて初めてFTPを測定してみることにしました。
FTPの測定方法
FTPを測定する方法にはいろいろあるようで、例えばダイレクトに1時間全力走をやって測定する方法もあります。
ただダニエルズさんのランニング・フォーミュラに記載されているように閾値ペースは「レースで1時間維持できる強度」であり「練習では20分程度維持できる強度」となっています。
さすがにレースでもないのに1時間全力走するのは私には難しい。
というわけで20分の全力走から算出するコーガン方式と呼ばれる方式で今回測定してみました。
コーガン方式とは?
パワーメータを使ったトレーニング(パワートレーニング)を提唱した『パワートレーニング・バイブル』の著者であるアンドリュー・コーガン博士が提案した方式です。
コーガン方式での測定プロトコルを『パワートレーニング・バイブル』から抜粋すると以下のようになります。
・ウォーミングアップ
-20分 @ 65%FTP
-1分×3回(回復走1分)@ 高回転ペダリング100rpm
-5分 @ 65%FTP
・メインセット
-5分 @ 全力走
-10分 @ 65%FTP
-20分 @ タイムトライアル
・クールダウン 10-15分 @ 65%FTP
ハンター・アレン、アンドリュー・コーガン著『パワートレーニング・バイブル』p77より引用
メインセット最後の20分タイムトライアル時の平均パワーの95%がFTPとなる方法です。
実際にFTP測定してみた
仕事が終わって帰宅してから、測定してみました。
測定環境
今回は固定ローラーを使って室内でFTPの測定を行いました。少なくとも20分間は全力走する必要があるので、実走よりは室内ローラーのほうが測定しや水と思います。
固定ローラー|ミノウラLR341
使用したローラー台はミノウラのLR341です。2万円くらいで買えるコスパに優れた固定ローラーです。

パワーメータ|Favero Assioma Duo
ペダル型のパワーメータであるFavero Assioma Duoを使っています。日本でのレビューはあまりありませんでしたが、安いし海外レビューでは断トツに評判が良かったので購入して使っています。

ガーミンForeathlete735XTJ
パワーを表示するのは、ガーミンのGPSウォッチForeathlete735XTJです。ランニングだけではなくてバイク関係の機能も充実しているのでパワーメータの数値も扱えます。

公式サイトだと販売終了になっていますが、Amazonではまだ取り扱いがあるようです。今でも全く問題無く使えるスペックで、安く買えるので狙い目かもしれません。
Zwift
もくもくとローラー台だけで測定もできるのですが、精神的につらいのでZwiftの力も借りました。
Zwiftにはワークアウトモードがあり、コーガン式のFTP測定もZwiftの指示に従って測定が可能です。自分自身の推定FTPを入力しておけば、アップや5分間全力走の時のパワーを指示してくれるので、余計なことを考えずに測定に集中できます。
私自身の推定FTPは今までの実走時のデータを基に180Wと設定しました。なので手順としては下記に従って測定することになります
- 5分間ウォームアップ 60W⇒110W
- 20秒 160W
- 20秒 200W
- 20秒 235W
- 3分 110W
- 3分 200W
- 2分 215W
- 6分 100W
- 20分 全力(FTP計測)
- 6分 クールダウン
測定スタート!
ZwiftのワークアウトからFTP(shorter)を選択して早速スタート。

20分の全力走の前にウォーミングアップがあります。指示に従って90-100rpmの高ケイデンスで走ります。

ウォーミングアップの最後の2分-215W(120% FTP)の時点ですでに少ししんどいです。

FTP測定前の最後のレスト6分間。ドキドキします。

いよいよ20分間のFTP計測のスタート。”20分間保てるパワーまで上げろ”との指示。とりあえず前半は190台くらいで行くことにしてみます。

何とか半分の10分経過。この時点でのアベレージは198W。”Easyに感じるなら10ワット上げる時だ”と言われるけど、キープするだけで精一杯。

10分~15分の間は苦しくかったけど何とか198Wをキープ。残り4分になって先が見えてきたので210W付近まで出力を上げます。

残り時間が少なくなると画面もクラクラしたような演出が。ただその演出はFTP測定しているときは全く気が付きませんでした。実際にクラクラしてたせいです。残り30秒で終了のゲートが見えてきて最後の力を振り絞ります。

ラスト10秒!

測定結果は…
FTP測定終了です!平均パワーは201W。FTPは201W×95%で191Wとなりました。

まとめ
初めてのFTP測定。苦しかったけど実力は出し切れたと思います。
結果は予想180Wに対して191W。
これまでランニングをやっていたのでもう少し高い値が出ることを期待していたのですが、やはり自転車のトレーニングをしていなければこんなものなんですね。
FTPを体重で割ったパワーウェイトレシオは2.9W/kg。ホビーレーサーの剛脚ピラミッドによれば3.0W/kg未満は低脚に相当します。まずは並脚の3.0W/kgが一つの目標ですね。
こうやって定量的な目標ができるので、今回のFTP測定のような実力テストをやるのは良いですね。