パイオニアの完全ワイヤレスイヤホンSE-E8TWはランニングに最適だと思ったけど
2019.7.15追記
レビュー記事を書いてからも気に入って使っていたSE-E8TWでしたが、だんだんと右耳用の方が充電ケースに入れても充電できなくなりました。接触部を掃除したり、ぎゅっと押し付けても全然充電できなくなったので今は使っていません。ランニング用のイヤホン選びは難しいですね。
修理の問い合わせをしようと公式HPをみたのですが、FAQに以下の記述がありました。
Q.イヤホンが充電できない。LEDインジケーター(赤)も点灯しない。
A.両方のイヤホン本体を充電ケースから取り出し、再度充電ケースに正しい方向でしっかりとセットしてください。
充電ケースからイヤホン本体が浮いていると充電されません。
うまく充電されない場合は、この作業を何度か繰り返してください。
また、しばらく片側のイヤホンのみを充電ケースにセットしていた場合、もう片側のイヤホンをセットしても充電が開始されないことがあります。
必ず両方のイヤホンを同時に充電ケースにセットして充電してください。
※イヤホン本体や充電ケースに汚れやゴミが付着していないか確認してください。
※イヤホン本体に汗や水滴がついたまま充電ケースにセットしないでください。充電中はLEDインジケーターが赤色に点灯し、充電が完了すると消灯します。
(充電ケースを充電中にイヤホン本体の充電が完了するとLEDインジケーターは青色に点灯します。)
もちろん書いてあることは全部試してダメだったのですが、FAQに載るくらい頻繁に問い合わせがあることを考えると製品の設計上の問題なのかもしれないですね(想像にすぎませんが)。残念です。
以下は、当初のレビューをそのまま載せておきます。
以下、当初のレビュー
ずっとランニング用のイヤホン選びに悩んできました。ランニングを初めてからかれこれ2年半ほどたってフルマラソンのベストも3時間40分を切るところまでくるくらいランニングにはまっているんですが、中々気に入ったイヤホンが見つけられないでいました。ただ最近ついにこれは!というイヤホンに出会ったんです。それがパイオニアのSE-E8TW。最近はいつもこのイヤホンをつけて走ってます。
今回の記事ではSE-E8TW気に入った点についてレビューしたいと思います。さきに良かった要点だけ書くとこんな感じです。
- 外音を取り込めるイヤーチップでランニング時にも安全に音楽が聴ける(音質もいい!)
- 左右独立型の完全ワイヤレスかつフィット感抜群でランニング時のストレスフリー
ランニング用のイヤホン選びは難しい
ランニング用のイヤホン探しは難しいです。普通に検索されば沢山出てくるんですが、そのほとんどがカナル型(凸型のイヤーピースを耳の中にある程度押し込んで使うタイプ)なんですよね。
ただカナル型のイヤホンにはランニングに使うのには大きな問題点があります。
私自身、普段使いではカナル型イヤホンであるRHAのMA-750を使っていますし、いくつかのランニング用のものも購入して使っていました。ランニングに使うには問題があると感じたことが2つあります。
カナル型イヤホンをランニングで使う問題点
外の音が聞こえない
まず一番大きな問題点が外の環境音が聞こえにくい点です。
カナル型イヤホンでは良い音質(特に低域)を確保するためにイヤーピースができるだけ耳の穴に密着して完全に塞ぐように設計されています。そうすると当然外の音は聞こえなくなります。
もちろん家でじっとしているときや電車や飛行機で移動中ならば環境音は聞こえないほうが音楽の世界に没頭できるので問題ありません。ところがこれがランニングになると全く状況は変わります。クローズされていない環境では走っている時は安全確保が(自分のためでもあるし、ほかの人のためにも)とても大事です。走っている間は五感をフルに使って安全を確保する必要があるのに、耳を塞ぐことで大きな情報源を一つ潰してしまうことになります。
外の音が聞こえないことによる危険性がカナル型イヤホンをランニングで使う際の最大の問題点です。
もう一つ地味な問題点があってそれが次のことです。
自分の足音や息の音が頭の中に響いて不快
使ったある人なら着けた瞬間に感じると思いますが、カナル型だと自分の息の音や足音、コードが服と擦れる音なんかが頭の中で響くんですよね。なんというか頭の中が篭った感じがずっとしていて気持ちよくランニングできないんですよね。
私はこの点もダメでカナル型をランニング用として使うことを諦めました。
開放型イヤホンの難点
一方、カナル型では無いイヤホンとして開放型のイヤホンがあります(iPhone付属のアップル純正イヤホンとか)。開放型を使えばいいかとなるとこちらにも欠点があるんですよね。
それが選択肢がそもそも圧倒的に少ないという点。
調べてみても選択肢がほとんどありません。一応ランニング用として売っているSonyのMDR-AS200を買ってみたことはあるのですが、フィット感がいまいちだったことと音質があまりにチープだったので気に入りませんでした。
結局消去法でアップル純正イヤホンをずっと使っていたんです。
ただアップルの純正イヤホン、不満が無いかというとそうでもない。音質はバランスが取れていて結構好きなのですが、いかんせんランニング用ではないため、フィット感はいまいち。スピード練習では落ちそうになるので使えません。また防水でもないので汗だくになる夏は使えません。冬にジョギングするときに帽子と一緒に使うくらいしか使えません。コードも邪魔ですし。
そんな風に長いこと決定打が無いまま過ごしていたのですが、最近気になったのがパイオニアのSE-E8TWでした。
パイオニア SE-E8TWの特徴
SE-E8TWは左右分離型の完全ワイヤレスのイヤホンです。スポーツ用なのでもちろん防水仕様。防水レベルはIPX5。このレベルがよく分からないけど調べてみると「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)」ということなので、完全に水没させない限りは大丈夫そう(=ランニングには十分)。

SE-E8TW。パイオニア公式ウェブより引用。
基本はカナル型のイヤホンなんですが、面白いのが付属のスリットが入ったイヤーチップに交換すると外音が取り込めるという点。一応イヤーチップには名前がついていてアンビエント・アウェアネス・イヤーチップというらしい。

アンビエント・アウェアネス・イヤーチップ。パイオニア公式ウェブより引用。
こういうイヤーチップを付属させてくれている時点でパイオニアはランニングのこと分かっているぞと思わずにはいられません。これまでイヤホンで不満に感じていたポイントを全部解決してくれていてもおかしくないとさっそく購入しました(結果としてはこれが大正解!)。
というわけで実際に使ってみたレビューです。
実際に使ってみた感想
まずは開封です。
箱を開けて取り出したところ。思ったよりもちっちゃいですね(写真だと伝わらないですが)。
付属品も含めて全梱包内容です。説明書、本体、充電ケース、USBケーブル(type3)、イヤーチップがスリット有り/無しでS、M、Lサイズのそれぞれ3個(計6個)。イヤーフィンもサイズ違いで3個付属しています。
これがスリットが入ったアンビエントなんちゃらイヤーチップです。
充電ケース。軽いので持ち運びの問題も無いですね。
それではレビューです。各項目★5つ満点で評価してみました。
音質★★★★☆
まずは普通のイヤーチップをつけて聴いてみます。比較対象になるリファレンスはRHAのWA-750。
まず聴いてみるとはっきり感じるのが中域からやや高域にかけての響きの良さとエネルギー。エネルギー感がしっかりとあって明るい音。高域はしっかりと出てるけどキンキンした感じはまったくなく自然です。ジャズのトランペットなんかも気持ちよく鳴ります。ボーカルだとサ行の響きが心地良い。あとは小編成の室内楽の弦楽器も明るく聴かせてくれます。
いっぽう低域は強調した感じは無く必要十分な量が確保されています。けっして足りない感じはありません。低域大好き人間には少し物足りないかもしれない、という程度。
BluetoothのSBC接続(イヤホン自体はAAC対応)なので音質自体に限界はあるのですが、全体の音のバランスがよくて明るい雰囲気で音質を十分にカバーしています。良い音作りだと思います。
さて次に本命のスリット入りのイヤーチップに交換。
スリット入りのイヤーチップを付けてみるとカナル型で感じる圧迫感が全くないのに驚きます。カナル型特有のあの嫌なこもった感じは全くありません。もちろん足音や自分の息の音が頭の中に響くこともなし。感じとしては開放型のイヤホンだと思ってもらえればいいです。外の音もほとんどそのまま聴こえるのでランニング時の安全性に関してはバッチリですね。
さて音質はというと、標準のイヤーチップと比べると低域が減ります。ベースやドラムのキックは雰囲気で分かるくらいです。
ただ音がスカスカかというと全くそういうことはないです。中域のエネルギー感があるので音が痩せた感じはありません。元気の良い音を聴かせてくれるので、ランニングしながら聴くのにはいいですね。以前購入したソニーのMDR-AS200は開放型で外の音が聞こえるタイプだったのですが、あまりの低域のスカスカっぷりに使うのをやめてしまっていたのですが、今回のパイオニアのSE-E8TWでは全然問題ないです。
というわけで音質については、開放型に近くなるので低域が少し減る分、★マイナス一つ。ただその分を中域・高域の元気の良さと雰囲気でうまくカバーしています。
フィット感★★★★★
フィット感は最初に付いているMサイズのイヤーピースとイヤーフィンだとゆるい感じがしたのですが、Lサイズに交換することでバッチリフィットしました。そういう点で3つのサイズのイヤーピースとイヤーフィンが付属しているのはいいですね。割と誰にでもあうはず。
実際に走ってみてもフィット感は全く問題無し。ショートインターバルで試しにキロ3分をきるようなペースでダッシュしても大丈夫。フィット感は抜群です。さすがスポーツ用イヤホンですね。
操作性★★★★☆
操作は簡単でイヤホン背面のの大きなボタンを長押しで電源ON、もう一度長押しで電源OFFです。電源OFFはどちらか片方の耳だけ操作すれば両方とも電源が切れます。再生中の操作は左右どちらのボタンを押しても一時停止/再生、左耳を2回押すと1曲送り、右耳を2回押すと1曲戻る動作です。ランダム再生することが多いので、イヤホンで曲を飛ばせるのはいいですね。
残念なのが音量調整ができないことで、音量はプレーヤー側で調整することになります。音量調整が無いので★1つマイナスです。
接続性★★★★☆
完全ワイヤレスで気になるのが接続性。結論としては問題なし。ただ普段使っているSonyのワイヤレスヘッドホンWH1000XM2と比べると少し安定性に欠けるのは確かです(左右独立型のワイヤレスの特性だと思われます)。
具体的には走っていて少しフォームを変えた拍子なんかにたまに左右のどちらかの音が途切れたりする現象があります(腕とかで電波が遮られているのでしょうか?)。とはいえすぐに接続が回復して安定するのでランニング中のほとんどの時間は問題無く使えています。この現象があるので★1つマイナスです。
バッテリーの持ち★★★☆☆
バッテリーの持ちは公称で3時間。実際に使用してみてもそれくらいでバッテリーが無くなります。
これは購入前からわかっていて普段の練習では全く問題ないので良いかと思っていました。ただこのイヤホンの出来の良さから普段の通勤でも使うようになって少し物足りなく感じるように。通勤で2時間弱使うと、帰宅してからランニングだと1時間ちょっとしか持たないんですよね。
というわけで最近は付属の充電ケースを会社に持っていって仕事中に充電することで対策しています。
バッテリーの持ちがもう少し長いとフルマラソンでも使えるなと思って★3つです。だけどバッテリーの持ちと重さはトレードオフになるので、今の抜群のフィット感を考えるとこのままでも良いような気がします。
まとめ
ようやくブログで紹介できるようなランニング用イヤホンが見つかりました。ランニングという本来の目的を全く邪魔することがないフィット感・快適性・音質です。購入して以来、ランニングをするのがますます楽しくなりました。