最近、海外(中国)に引っ越しました。
引っ越してから1カ月ほど過ぎたころから心の中に強烈に芽生えたのが「良いスピーカーで好きな音楽を聴きたい」という思いでした。
中国に行く前、日本の自宅では、Dynaudio(ディナウディオ)のスピーカーとヤマハのAVアンプという、マニアからすれば大したことのない、けれども普通の人からすれば決して安くはないシステムを組んで音楽を愉しんでいました。
ところが海外に引っ越すにあたり持っていける荷物は限られます。そこでオーディオ機器については小さなBluetoothスピーカーとヘッドホンだけを持っていきました。
持って行ったヘッドホン。たしかに音質はいいけどリラックス度はどうしてもスピーカーには劣ります。自宅でのんびり音楽を聴きながらくつろぐ時には少し窮屈な感じです。
一方で、小さなBluetoothスピーカーは持ち運びには便利だけど、じっくりと音楽を愉しむためには実力不足。
それでも中国に引越した直後はよかったのです。全く新しい環境で容赦ないストレスにさらされる日々では、夜遅くにホテルに帰り、クタクタの体を湯船に沈めながら小さなBluetoothスピーカーから流れてくる音楽を聴いて日々を乗り切ってました。
ただ住む家が決まり、だんだんと生活にも慣れて日常のようなものができてくるにつれて余裕が出てくると、冒頭の「良いスピーカーで音楽を聴きたい」という欲求が出てきたのでした。
海外駐在生活でのスピーカー選び
良いスピーカーへの欲求が出てきたらもう我慢できません。すぐに買うことにしました。
かといって、たった数年住むだけの海外の家にCDプレーヤ(or ネットワークプレーヤ)+アンプ+スピーカーというオーディオシステムを組むのは少し面倒です。機器の選定と入手も手間ですし、持ち帰ることを考えると面倒です。
そこで色々と悩んだうえで出てきた選択肢が、KEFのアクティブスピーカーであるKEF LSX IIです。
KEF LSX II
イギリスのオーディオブランドであるKEF。ツイーターとウーハーが同軸上に配置されたUni-Qテクノロジーが特徴のオーディオメーカーです。
私が大学生だった20年前はKEFのQ1というエントリーモデルのスピーカーがネット上(2chです)でコスパが良いという評価を受けていて、当時も購入を検討したりしていた少しだけ思い入れのあるブランドです。結局当時はお金がなく、さらにコスパがいいと評判のMagnatのVintage110を購入しました。懐かしいです…。
今回購入したKEFのLSX IIは、ウーハーが11.5cm、本体のサイズも幅15.5cm/高さ24.0cm/奥行18.0cmという小型の2ウェイスピーカーです。もちろんウーハーとツイーターは同軸配置のUni-Qドライバーです。
一番の特徴はアクティブスピーカーであること。Bluetooth接続はもちろんWifi接続でも音楽を聴くことができます。さらに左右のスピーカーもワイヤレスで接続可能なので、電源ケーブルだけつなげば、スピーカーだけで音楽を愉しむことができます。
有線接続でも光ケーブル、USB、AUX、HDMI(TV)に対応しています。このうち地味にうれしいのはHDMI端子。HDMI ARCを利用してテレビとHDMIケーブルで接続すればテレビの音もスピーカーで簡単に聴くことができます。
我が家ではもっぱらスマホかパソコンのSpotifyをAirplayで接続して聴いています。
実際に使ってみてどうだった?
実際に家に届いて使ってみたので感想を書きます。結論から言えば最高のスピーカーです!
良かった点
まずはよかった点から。良かった点は大きく2つあります。
良かった点1:デザインの良さ
まず一番に感じるのはデザインの良さです。
仕上げは非常に質感が高いです。デザインもミニマルかつモダン。デザインだけだとクールな印象だけになってしまいますが、サーフェスをファブリック仕上げとすることでウォームな雰囲気もプラスされています。スピーカーというよりも良くデザインされた家具のような印象です。
専用に設計されたスピーカースタンドのデザインも良いです。ボルトでスピーカーを固定でき、電源ケーブルをスタンドの内側に通せるので、ケーブルが丸見えで折角のデザインのミニマルさを壊すことがありません。
ちなみにこのスタンド、音質的にも非常に良くなるので合わせて購入することを強くお勧めします。
見た目の良さは音とは関係ないと思われるかもしれませんが、実際は見た目の影響はかなり大きいです。見た目が良いスピーカーからは不思議と良い音がするような気がしてくるのでバカにはできないのです。
良かった点2:音質
見た目のバイアスはあるものの、客観的に聴いても音質がかなり良いです。
購入前は低域がかなり弱くて、値段の割に力強さにかける音じゃないかと心配していましたが、全くそんなことはありませんでした。
地を這うような重低音はでませんが、ほとんどの曲で低域不足を感じることはありません。むしろブーミーさが全く無いので、非常に使いやすい印象です。
中域~高域は控えめに言って最高です。情報量豊かで今まで聴こえなかったような音までしっかりと聴こえます。かといって聴き疲れするようなことは全くなく、心地よく聴こえてきます。
特に最高なのがジャズのサックスやトランペット。倍音成分が豊かに響いて、細かいニュアンスまで余すところなく伝えてくれます。何度聴いても心が震える感動があります。女性ボーカルも同様で非常に得意です。
小型でどうしても低域の不足感が出るところを、バランス良い音でカバーしています。
ウーハーとツイーターがそれぞれアンプで駆動される、バイアンプ駆動。しかもアンプ自体もスピーカーとセットで設計されているので、小型スピーカーとは思えないバランスの良さが実現できているのだと思います。
唯一の弱点は重低音。ヒップホップ、特にトラップのような低音の基音を効かせたようなジャンルはやや苦手かなと思います。
良かった点3:使い勝手
Wifi接続してKEFのアプリ「KEF Connect」を入れるとスマホで本体の操作が可能です。スマホでスイッチを入れて、スマホの中に入れた音楽ファイルもしくはSpotifyをAirplay接続して流します。つまりスマホとスピーカーがあれば他には何もいらないです。使い勝手が本当に良いです。
イマイチな点
イマイチな点はほぼ無いです。音質面だと先述したように響くような重低音は出ないくらいです。
あえていうなら、ワイヤレスと言いながら電源ケーブルはどうしても必要になるということでしょうか。スピーカーケーブルと比べるとどうしても取り回しはしにくくなります。
でも本当にそれくらいですね。
届くまでは少し高い買い物をしちゃったかなと後悔しかけていましたが、実際に使ってみたらそんな思いはどこかに吹き飛んで行きました。
まとめ
KEFの小型ワイヤレスアクティブスピーカーのLSX IIを購入しました。気軽さと音質を完全に両立した素晴らしいスピーカーです。デザインや質感も良いです。値段は多少高いですが、その価値があると断言できる逸品です。
このブログは本来ランニング・トライアスロンブログなのですが、あまりに素晴らしかったのでレビュー記事を書いてしまいました。