ダニエルズ式トレーニングの5つのラン(Easy、Marathon、Threshold、Interval、Repetition)のうち、もっとも時間を掛ける基本となるランがEasyランです。
Easyラン単体で距離を稼ぐ練習(Longラン)も、リカバリのジョグも、インターバルのつなぎもこのペースが基本となります。
Easyランの概要
Easyランは59~74%VO2max、65~78%HRmaxで実施します。
フルマラソン3時間のランナーであればキロ4分48秒~5分6秒、3時間30分であればキロ5分31秒~51秒、4時間であればキロ6分13秒~35秒、5時間ならのキロ7分31秒~56秒のペースです。
ここでいうフルマラソン3時間のランナーとは、現時点での実力が3時間のランナーです。目標が3時間のランナーでは無いことに注意してください。ダニエルズ式トレーニングでは、練習ペースはすべて現時点での実力から決定されます。
また最高心拍数が190なら124~148、180なら117~140の心拍数となります。
練習の効果は心筋の強化と毛細血管の発達、そして脚を鍛えることによる怪我の防止と筋繊維の長距離向きへの変換です。
心筋はこの強度付近で心収縮が最大となります。これ以上の強度では心拍数は増えますが、収縮量は減るため心筋を鍛えるためには、この強度での練習が不可欠となります。
また心筋を鍛えるためにはより長い時間、この収縮を繰り替えさせる必要があります。低すぎる強度では、収縮量が小さく効果を出すには異常に長い時間走らなければいけませんし、高すぎる強度では短い時間しか継続できません。
なのでこの強度で長い時間運動を継続させることが、最も心筋を鍛えることができるのです。
Easyランの注意点
1回の練習時間
Easyランの1回の走る距離は週間走行距離の30%以下となっています。これは週間走行距離64km以下の人の場合で、それ以上の人の場合は、25%か150分のどちらか短いほうです。
週間走行距離が40kmなら1回の上限は12kmとなります。ダニエルズ式トレーニングは無理をさせないことがベースにあるので、このような上限となっているのです。
フルマラソン向けのトレーニングを考えた場合、週間走行距離の30%という上限はかなり厳しいものです。例えば30km走を実施できるのは、週間走行距離が100kmを超えるような人だけです。ランニング・フォーミュラのp193のフルマラソン向けのトレーニングではこの上限を超えるようなEランやMランが登場します。
なので私見ですが、30%は特にまだ脚ができていない段階では厳密に適用し、脚ができてきた段階ではある程度逸脱してもいいのではないかと考えています。
フォームの崩れ
ペースを遅くしたときにはフォームが崩れがちになります。フォームが崩れると怪我を引き起こすため、時折ペースを上げるなどして、フォームが崩れないようにしましょう。
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